● 室内保温性能 (冷却所要時間)
- 住まいのU値は、冬季では家の必要暖房費の目安になりますが、住み心地のよさは「温度調整した室内がいかに外気温に影響されないか」といった室内の冷却所要時間に伴う室内保温性能が重要になります。
※冷却所要時間:外気温-10℃、室内+20℃、暖房スイッチoffから室内壁表面温度が0℃に達する時間 (2001年グラーツ工業大学よる)
【検証結果】
- 各壁材のU値を同じに近づけ計測した結果、冷却所要時間が8~14倍以上異なり、U値の基準だけでは比較できない住み心地の違いを確認できます。
※U値=015未満が、ドイツでの0エネルギー住宅(パッシブハウス)の基準です。 - ピュアウッド壁は他の住宅工法と比べ室内冷却時間に優れ、断熱材を追加することで冷却までの時間をU値の比例値以上に増し、住み心地が向上します。
● 建材別 U値=0.48の壁厚比較
- ピュアウッド壁パネル(185mm)の熱還流率と同じ断熱性能に相当する一般的な壁材の厚さ
※グラフの値は実測値ではなく計算による値で、比較のための概算数値です。
【検証】
- ピュアウッドは構成する木材間に空気層が含まれ、同じ木材よりも熱還流率に優れており、厚さの違いで確認できます。
● 同じU値の壁材で室内冷却時間を比較
※冷却所要時間は実測値ではありませんが、グラーツ工業大学(オーストリア)で2001年に検証したデータを基に、一般的な大壁造りの室内保温効果の違いを比較
- 一般的に使用するピュアウッド壁185mmの外装 U値=0.431
値の計算に含まない |
- ピュアウッド壁185mmにソフトボード30mmを取付けた外装 U値=0.348
U値計算値の比率より冷却時間は長くなります。 | *は、U値の計算に含まない |
- U値は同じでも木材表面の蓄熱性能の違いで、ピュアウッド壁パネルのほうが冬季の室内冷却時間は長くなります。
【まとめ】
- U値(熱伝導率)は、1時間あたりの室内外に伝わる熱量が基準となっており、室内の暖房による壁内の温度を考慮していません。
人が暮らす建物では、室内が暖房されており、熱伝導は壁体内を通過する場合に、木づくりの建物の場合は室内側表面(3cm)の蓄熱部分が木部の熱伝導に影響します。
ピュアウッドハウスやログハウスのような木づくりの建物は、冬季に室内の暖房を止めて外出した場合、室内の温度が外部と同じ温度に下がるまでの時間がグラスウールなどで断熱した一般的な建物より長くなります。 - 同じU値でも大壁造りより質量の多い(重量が大)ピュアウッド壁のほうが蓄熱量が多いため、同じU値の2x4の建物と比較した場合、暖房費が約1.5倍有利になります。